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マスク恋歌

今日一日
マスクの中に吐き出された
君の湿った優しい吐息

外から帰ると君はすぐ
そんなマスクを顔から剥がし
ゴミ箱へポイと投げ入れる

そして僕はこっそりと
そこからマスクを救出する
マスクの内側にとどまることの出来た
音にならない言葉たちを救うため

僕はそれらを詩人脳で
読んだり触ったり聴いたりしながら
マスクの言葉たちと戯れる

彼女が寝入った夜な夜な僕は
これまで救出した何枚ものマスクを
一冊に閉じて詩集にした

青いサージカルマスクの表紙
開くと何編もの詩の数々
ポケットにその詩集を入れ
僕は外に出た

僕と世界との境界には
君の詩を置こう
詩集を口に当て
僕は宇宙からの息吹きを深呼吸した

『マスク煉歌』

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